昔取った杵柄(きねづか)
RGJの選手が使っているのを見ていたとは言え、現在の機材や用品がどの程度のモノなのかはまったく知らなかったという須藤。自分で走るようになって、あまりの変貌ぶりに驚いたと言う。
2013年 埼玉県タイムトライアル・ロードレース大会 女子の部で優勝した須藤(写真中央)
「とにかく『スゴイ』の一言。選手時代に比べてあらゆる物が進歩してる事を実感しました。特に最近のカーボンフレームは別次元の代物ですね。こんなに進むのか!って思いました」
とは言え、機材や用品の進歩が長いブランクを埋めてくれるワケでは無い事も思い知った。初めてパワーメーターを付けて走った時、110ワットくらいしか出なかった事に愕然とした。
「自分では140ワットくらいは出せるだろうと思っていたんです。RGJの選手のデータは逐一見ているから、なんだか悔しくなっちゃって・・・それで火が付いたんです。でも、練習しているうちに、現役だった頃の感覚が戻ってくるんですよね」
2013年、東京都ロードを手始めに本格的にレース参戦を開始。5月の埼玉県タイムトライアル・ロードレース大会で優勝、6月の全日本選手権タイム・トライアルでは10位に入った。
「選手時代を知ってる人が少ないから遊びで走ってると思われてる事もあって・・・普段は牛のカッコウしてたりするから余計なんでしょうけどね。埼玉TTの時は運営の役員に入れられてしまってたんです。走るから役員出来ませんよ!って言ってあったのに。だから余計意地になっちゃって・・・表彰台に乗ってやるとは思ってましたけど、優勝するとは思ってませんでした。逆に申し訳なかったですね」
と、苦笑いしながら語る。
一方で、VOLCAのジャージで走った事については、異論もあった。
「チーム内外から批判されました。なぜRGJのジャージじゃないのか、と。確かに私はRGJのチームオーナーではあるけど、選手じゃない。所属してる選手は皆トライアウトを受けるか、実績をつけて加入している。オーナーであっても10年もブランクがあって何の実績もない私がいきなりRGJのジャージを着るのは整合性が取れないと考えたんです。だから敢えて、VOLCAのジャージで走りました」
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