米田和美にあこがれて
RGJに加入を希望する選手は、自転車競技をするための環境を求めて・・・という動機が多い。しかし、2013年に加入した斉藤千夏の場合はちょっと違う。
「米田和美さんにあこがれてたんです」
とあるエンデューロレースに参加した時の事、ハイペースな男子の集団についていく米田の姿が斉藤の視界に入った。
レース前、米田と並んでアップする斉藤(2014年チャレンジロード)
「女性なのに、あんなに速い!と思って見てたんです。そしたら、走ってる最中に声をかけてもらって・・・。それで、どんな人なんだろう?と思って調べてみたら、RGJの事が出てきたんです」
元々、自転車はダイエット目的で始めたと言う。職場の人達に誘われて、サイクリングに行ったり、エンデューロのようなイベントに参加する程度だった。それが、米田の存在を知った事で一変した。
「高校を卒業して以来、運動らしい事をあまりしてなかったので、自転車もガッツリやるつもりは無かったんです。本当に趣味の範囲でやるつもりでした。それが米田さんの存在を知って、あんなふうに強くなりたいと思うようになったんです」
トライアウトを経てRGJに加入した斉藤は、昨年3月に米田と対面。その時の事を、まるで初恋の人に告白したかのような表情で語る。
「『あこがれてたんです!』って米田さんに言ったんです。それで、『あぁ、言えた!』って・・・精一杯でした。その後のレース前のミーティングの時に、米田さんが他の選手と話しているのを聞いていて、レースに対する考え方とか、見方とか、自分がまだ知らない事がいろいろあって・・・勉強になったし、頑張らなきゃって思いました」
そして「永遠のあこがれの先輩ですね」と言って、斉藤はちょっとはにかんだ笑顔を見せた。
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