子供達への想い
ジャパンカップが終わると、ロードシーズンは終盤。同時に、北海道は本格的な雪のシーズンに向かう。米田はレーサーシューズをクロカンスキーに履き替え、1月からの大会出場に備える。どっちが本シーズンなのだろう?と思わせるパワフルさだ。
「私にとってメインはあくまで自転車なんです。クロカンスキーは持久力とメンタルの維持の為にやってます。だから、自転車のシーズンが始まってからもスムーズに移行できるんです。使う筋肉も似てるし」
オフトレでクロカンスキー大会に出場する米田(2014年ちとせホルメンコーレンマーチ)
あくまで自転車のオフシーズントレーニングとして取り組んでいると言うが、出場する大会では必ず表彰台に乗るほど。連覇してる大会もいくつかある。
「クロカンにハマってきてるのはあります。でも、乗れるなら自転車に乗りたいですけどね」
家に帰れば、短大生の長女と高校生の長男の母。「子供の事が第一」と言い切る米田は、家事と仕事をこなしつつ、わずかな時間をやりくりして練習する。
「最近は子供達が気をつかってくれるんです。私が練習出来るように、って。本当に感謝してます」
子供達の理解があるからこそ、続けられる・・・それは全日本で落車した時に実感した。
「あの時、真っ先に子供達に電話したんです。けど、2人とも拍子抜けするくらい全然動じなくて・・・。逆に、どれくらいケガしたのか聞かないの?って言ったら『電話かけてくるくらいだから大した事ないんでしょ』って言われて。顔にケガして跡が残るかもって娘に言ったら『顔はもういいんじゃない』なんて言うんですよ」
と、目を細めながら語る。その表情は、選手と言うより母親そのもの。
そんな米田がひとつ決めている事がある。それは、子供達が高校を卒業するまではお弁当を必ず作る事だ。
「レースで家を空ける時は無理だけど、それ以外は必ず作るようにしてます。息子がまだ高校2年生なんで、あと1年は作り続けますよ」