実業団レースで念願のReady Go JAPAN初優勝!

現在、日本で(観戦側だけ以外として)参加者に人気のある自転車レースといえば、たっぷりの距離が 走れる「耐久系レー
ス」か、自転車レース初心者でも、ある程度体力があればチャレンジの出来る 「ヒルクライム系レース」の大きく分けて2つに
なるだろう。

ヒルクライムとは、登る。とにかく山というか坂を登り続けるコースでレースをおこなうこととなる。 自転車、特に本式のロード
レースとなるとたくさんの選手たちが密集して走る、いわゆる「集団」の 中での走行に慣れることや、様々なロードレース経
験を積まないと勝てない「体力+α」の部分が非常に 多い。これが、ある意味ロードレースの醍醐味であるのだが、折角、
自転車スポーツを始めて、どれぐらい 走れるようになったのか?とか、今はどの辺の位置までいけるのか?という割と手前
側での手軽な目安として ヒルクライムに挑戦する選手も多い。

一方で、非常に辛さや苦しさが参加していれば、誰でも分かるという明確さと、その中で一番になる選手 イコール「強い選手
」というストレートさの面でも人気があるのかも知れない。なにせ、数分おきに クラス別でスタートしても、強いクラスの選手た
ちが、地道に走る自分の真横をすり抜けされたときの、 異次元の走りを目の前で観られる時の感動!ソレと引き換え、なん
だよ自分の走りは、などと反省しつつ、 来年の同じ大会では10秒でも縮めてやろう、という闘志も湧いてくる、というのがリピ
ーターを呼び、 人気が衰えない一因なのであろう。

この「しらびそ高原ヒルクライム」は、そんな数々の日本国内ヒルクライムレースのコースの中でも トップクラスの長い行程で
ある22km。さらに、このコース、一昨年にレース開催直前の大雨と落石で コースの後半箇所が通行止めとなり、その落石
除去まで当初設定の22kmコースが使用不可であった。 そのフルコースを3回目の開催で初めて走ることとなった今大会。


実業団自転車レースで初優勝したRGJ吉井玲香
選手。表彰式前には同行の仲間が彼女の髪を整
えてくれた

しかし、レース当日は朝から雨。しかも、時折雨足は強くなる一方であっ
たようだ。 そんな中、参加者総勢 約600人がクラス別にスタート。
我がReady Go JAPANの 登りのスペシャリスト吉井 玲香選手は体調も
万全。 スタート前には、いつもお世話になっている茨城県土浦市の自転
車店Flame(RGJ提携チームでもある)店長の高橋氏の準備により、順調
にスタートから一気に飛ばしていった。

同じレースに 出場していた選手や、運営 スタッフの方々からもお話を後
日、伺うことが出来たのだが「思わず目を見張る登りの速さ」を発揮した
吉井選手は、途中も一切スピード が落ちることなく走っていったそうだ。

彼女の出場したクラスは「FR」といい、全日本実業団自転車競技連盟が
運営する女子年間シリーズ戦 「Jフェミニン」公式試合の1つ。そのため、
女子強豪選手である2008シクロクロス全日本選手権の覇者 である豊岡
 英子(パナソニックレディース)や、今年の日本ナショナルチーム強化指
定選手である 井上 玲美(日野自動車レーシングチーム)、シクロクロス
世界選代表選手だった志村みち子(ラヴニール あづみの)など並み居る
顔ぶれが揃っていた。

しかし、そんなことは知るか知らずか、吉井選手は
どんどん登っていったそうだ。途中、少し下りのセク
ション で、まだ自転車に乗り始めて1年未満の女は
ちょっと遅れてしまうが、それでもトップの位置は保
ち続け、 結局、そのまま2位とは9秒差、3位とは何
と1分以上の差を付けてゴールを果たした。

ゴール地点では、地元のご婦人たちによる手づくり
のけんちん汁が参加選手達の体を芯まで温めてい
た。 一方で、RGJチームで初の実業団レース優勝
を飾った吉井選手は、ずぶ濡れになりながらも「応
援いただいた 皆さん、そしていつも助けてくれるFl
ameとRGJチームに感謝してます」と笑顔でコメント
してくれた。

表彰式で真ん中に立って照れくさそうな笑顔を見せ
た吉井選手。 今後もRGJチーム所属女子選手達の
活躍にご声援のほどよろしくお願い申し上げます。


表彰式で真ん中に立って照れくさそうな笑顔を見せる吉井選手(写真左)。
右は三位の井上玲美(日野自動車レーシング)

第3回全日本実業団しらびそ高原ヒルクライムサイクルロードレース大会:レース結果
開催日:平成21年5月17日(日)
開催地:長野県飯田市・上村小学校〜ハイランドしらびそ
(コース全長22km/標高差1330m)

※掲載参考:全日本実業団自転車競技連盟・発表結果
http://www.jbcf-net.org/result/20090517shirabiso_result.htm

順位 選手名 所属 チーム名 FinishTime +Top MS km/h
1位 吉井 玲香 茨城 Ready Go Japan 1:23:35 00:00 15.79
2位 金子 広美 東京 ------------ 1:23:45 00:09 15.76 -
3位 井上 玲美 東京 日野自動車レーシングチーム 1:24:49 01:14 15.56 61
4位 星川 恵利奈 香川 MUUR ZERO 1:24:55 01:19 15.54 51
5位 豊岡 英子 大阪 パナソニックレディース 1:26:32 02:57 15.25 41
6位 佐藤 浩巳 茨城 Team ENERGY 1:26:53 03:18 15.19 36
7位 志村 みち子 埼玉 ラヴニールあづみの 1:28:40 05:04 14.88 31
8位 橋本 みどり 東京 なるしまフレンド 1:29:00 05:24 14.83 31
9位 小笠原 恵 愛知 TEAM光 1:30:57 07:21 14.51 26
10位 坂田 美紀 兵庫 グランデパール播磨 1:34:01 10:26 14.03 26
11位 塩谷 典子 愛知 ------------ 1:39:01 15:25 13.33 -
12位 中道 のぞみ 京都 SalataBiancakobe 1:41:15 17:39 13.03 21
13位 原田 彩子 東京 Team FITTE 1:43:26 19:50 12.76 21
14位 風間 千嘉 埼玉 スミタ・ラバネロ 1:45:31 21:55 12.50 21
15位 釜下 裕子 大阪 Sakatani Racing 1:46:25 22:49 12.40 21
16位 宮田 菜摘 岐阜 フィトンチッドRT 1:51:33 27:57 11.83 21
DNS 平野 まどか 大阪 クラブシルベスト DNS
DNS 佐々木 寛子 福岡 PARABOLAイワイシーガル DNS
DNS 永島 律子 京都 PRESTO DNS
DNS 畑野 りえ 山梨 PRESTO DNS
DNS 柴田 多恵 京都 SalataBiancakobe DNS
DNS 依田 多香子 大阪 Nasu Fan Club DNS

(写真撮影すべて・Flame高橋)
(記事・RGJ事務局 須藤むつみ)
※この記事のために取材協力いただきました皆様に御礼申し上げます。

様々なレースで活躍するRGJチーム選手たち。しかし、世界を目指すためには、もっと経験しなければならないことも。
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